フレーバー官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)

年代による産地別コーヒーの風味に対する生活者の情緒的なイメージの違い

 休日に飲みたいコーヒーや、リラックスしたい時に食べたいチョコレートなどを街中やECサイトで見かけることはないでしょうか。近年、シーンや気分・感情、イメージといった情緒的コンセプトを謳った商品が非常に増えています。

 情緒的コンセプトを謳った商品が多数存在する一方で、「ほっとする」「リラックス」といった感情・情緒は、年代や性別、個人の嗜好などよっても感じ方が異なります。そのため、ターゲット層を選定し、根拠をもって香り・風味を設計する必要性が高まっています。

 そこで我々は、香りの専門家(専門パネル)による風味評価と生活者(一般パネル)による情緒評価を組み合わせ、情緒的コンセプトと香り・風味の関係をデータで可視化する手法を開発すべく、研究を行いました。

 本研究では「産地別コーヒー」を例に、代表的な4産地の深煎りコーヒー抽出液について、①専門パネルの詳細な風味評価、②一般パネルの情緒評価を実施し統合解析を行いました。さらに、一般パネルの年代の違いによるコーヒーの風味から感じる情緒にどのような差があるかを確認するため、年代別に解析を行ったところ、「ほっとする」という言葉に対して結びつく風味が年代によって異なることが明らかになりました。すなわち、同一の情緒的コンセプトでも、どこをターゲット層とするかにより“響く風味”が変わることが示されました。

 本手法により、コンセプトに合う風味の可視化に加え、属性を踏まえた「ターゲットに最適なコンセプト×風味設計」へ展開できると考えています。さらに本手法は、情緒的コンセプトを訴求する商品が増えている化粧品・日用品分野においても、香り設計への応用が可能と考えています。

関連研究:産地別コーヒーにおける風味と情緒的なコンセプトの関係性を表現する方法の開発~風味&情緒をつなぐ~

https://www.t-hasegawa.co.jp/research/document/155


【学会発表】

この研究成果は、2025年8月17日~21日に開催された16th Pangborn Sensory Science Symposium

(会場:Pennsylvania Convention Center / Philadelphia /USA)において「Exploring the Relationship between Emotion and Flavour in Regional Coffee Varieties」の演題にてポスター発表を行いました。

さらにFlash Oralに選抜され、口頭発表を行いました。