汚染・廃棄物

基本的な考え方・方針

当社グループでは、汚染・廃棄物に対する取り組みを事業上の重要な課題と捉え、「環境安全方針」の中で、「臭気対策、環境汚染物質の排出低減」、「省資源、水の保全」、「廃棄物の有効利用の推進」を掲げています。揮発性有機化合物(VOC)排出量、埋立廃棄物、廃棄物の有効利用率等について目標を定め、汚染・廃棄物の削減や廃棄物の有効活用に取り組んでいます。

ガバナンス・リスク管理

詳細は「環境マネジメント」をご確認ください。

戦略

リスクの低減

  • 廃棄物の有効利用、脱臭設備の充実

廃棄物処理業者の選定

排出者責任が問われる廃棄物の処理業者については処分場を視察し、適正に処理が行われているかを確認するとともに、許認可の内容、処理方法、処理能力等を確認するほか、廃棄物の有効利用にも配慮して選定します。また、委託契約後も定期的な視察を実施します。2024年度についても問題ないことを確認しています。

廃棄物の管理

社内での廃棄物管理については、年に一度の環境安全監査のほか、ISO14001認証取得拠点においては、環境マネジメントシステム監査(EMS監査)で管理の運用状況を確認し、指摘事項が検出された場合は速やかに是正処置しています。

2024年度の環境安全監査・EMS監査では、管理が適正に行われていることが確認できました。

廃棄物の有効利用

当社グループは多種多様な製品を製造しており、様々な廃棄物が発生しますが、有効利用に取り組み、廃缶類、紙類、廃ガラス、廃油等の分別を行い、再資源化を積極的に推進しています。また、埋立廃棄物の発生抑制に努めています。

当社の有効利用率については目標である「2022年度を基準年とし2030年度まで有効利用率95%以上を継続」に対し、2024年度の有効利用率は96.5%(国内連結では96.9%)となりました。

埋立廃棄物については「2022年度を基準年とし2030年度まで埋立廃棄物ゼロを継続」を目標としており、2024年度もゼロとなっています。

匂い移りの少ない缶類は再生缶を製造する業者に、また廃液類の一部は再利用技術を有する業者に処理を委託しています。

2022年の日本におけるプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)の施行やプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の締結に向けた政府間交渉の動きなどに見られるように、プラスチック類の使用削減と廃棄処理については、一層真摯に対応していかなければいけない課題と認識しています。

当社グループが主に製造・販売する香料の特性上、プラスチック容器に高いバリア性が求められることや、充填後の容器内部には使用後も匂いが残り、現状では無臭にする過程でGHG排出量が増えてしまうこと等の課題が存在するため、プラスチック容器の削減は難しい課題ですが、社内で使用済みのプラスチック類でリサイクル可能な状態の物は分別し、有効利用に努めています。

長野県南佐久郡小海町にある株式会社小海コンポース(当社出資比率45%)では、廃棄物の有効利用の一環として、当社から多量に発生する天然物抽出後の残渣(植物残渣)を発酵堆肥化し、高原野菜農家等での利用につなげています。さらに、国産香料原料の安定調達とサーキュラーエコノミー実現の観点から、この堆肥を使用したレモングラスの試験栽培を小海町で実施しています。

野菜畑(長野県小海町)
野菜畑(長野県小海町)
堆肥散布(長野県小海町)
堆肥散布(長野県小海町)

臭気対策

香料を製造する企業として、臭気対策(悪臭防止法)には特に注意を払っています。様々な脱臭技術を採用した脱臭装置の稼働により、臭気の拡散防止に努めています。また、地域社会の一員として地域行政・住民との信頼関係の構築・強化に努めています。総合研究所、深谷事業所では構内及び周辺地域の環境(臭気)パトロールを定期的に実施しています。

集塵対策

工場では製造時における作業環境改善の一環として、製造部の一部には集塵機を設置しています。

化学物質管理

化学物質に関する法令対応

当社グループでは取り扱う香料成分が化学物質でもあるという観点から、以下に示すような法令対応を行っています。

  • 国内法に基づく新規化合物の登録申請
  • GHS対応のSDSの発行
  • 各国の化学品規制動向、及び国内法改正に関する情報管理と対応
  • 海外子会社における対応
製品リスク評価(化学物質のリスクアセスメント)

深谷事業所では、原料や中間品のSDSを基にした化学物質のリスクアセスメントを行い、リスクの低減対策を検討して作業手順書に反映しています。また、従業員に対して化学物質の危険有害性や適切な取り扱い方法、国内外の化学品規制等の教育を定期的に行っています。

総合研究所では、取り扱いのある化学物質について労働安全衛生法に基づくリスクアセスメントを実施し、リスクレベルに応じた対策シートの作成と社内イントラネットへの掲載を行っています。

海外子会社においても、現地の法令を遵守し、実情に応じた管理施策を実施しています。

PRTR法対象物質の管理

深谷事業所ではPRTRの該当物質及び自主管理物質を設定し、排出管理を行っています。

詳細は「品質安全」をご確認ください。

指標・目標

当社は、大気汚染の原因となる揮発性有機化合物(VOC)排出量、埋立廃棄物、廃棄物の有効利用率等について目標を定め、汚染・廃棄物の削減や廃棄物の有効活用に取り組んでいます。2024年度も、引き続き埋立廃棄物ゼロ、有効利用率は96.5%と、高い水準を維持しています。
詳細は「長谷川香料グループ ESGデータブック(PDF)」をご確認ください。