フレーバー官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)

消費者の

健康ニーズに対応した

新たな油脂感増強素材の

開発とその効果

 近年、消費者の健康意識の高まりや、各国政府の健康に関する政策を背景に、塩分や砂糖、油脂の使用量を少なくした減塩、減糖、減脂の加工食品の健康ニーズが高まっています。一方で、これらの成分を単に減らすと美味しさの低下に繋がることから、風味を補う素材が求められています。当社では、これらのニーズに対応するため、甘味増強素材や塩味増強素材、油脂感増強素材を開発してきました。今回新たにバターから発見した香気成分が乳製品の油脂感増強に顕著な効果があることを見出しました。

この研究成果は2019年7月28日-8月1日に開催された第13回Pangborn Sensory Science Symposium 2019(スコットランド エジンバラ)にて発表しました。

近年、消費者の健康意識の高まりや、各国政府の健康に関する政策を背景に、塩分や砂糖、油脂の使用量を少なくした減塩、減糖、減脂の加工食品の健康ニーズが高まっています。一方で、これらの成分を単に減らすと美味しさの低下に繋がることから、風味を補う素材が求められています。当社では、これらのニーズに対応するため、甘味増強素材や塩味増強素材、油脂感増強素材を開発してきました。今回新たにバターから発見した香気成分が乳製品の油脂感増強に顕著な効果があることを見出しました。ホイップクリームの評価では、香気成分の添加により、クリーム感、油脂感、厚み、余韻、口当たりが向上しました。

 一方で、匂いを感じないようにノーズクリップをした状態で評価したところ、油脂感や厚み等全ての項目で増強効果は確認できませんでした。このことから、この香気成分の香りの有無が油脂感、口当たりに大きく影響することが示唆されました。また、日本人消費者を対象としたオンラインアンケートの結果、油脂の使用量を減らした低カロリー食品に対して、「コクが足りない」と感じる消費者が最も多かったです。そのような中、当社が見出した新たな重要香気成分の添加効果について、クッキーを用い消費者パネルでの嗜好性調査を実施したところ、有意にコクが増強され、嗜好性も向上することが分かりました。

 ミルクコーヒーやシチュー、ラーメンスープ等の加工食品においても効果を確認し、現在、低カロリーの食品や飲料の油脂感、口当たり改善素材として展開しています。今後も消費者の健康ニーズに対応した風味改善素材の開発に向けて取り組んでいきます。

 

【発表学会】

13th Pangborn Sensory Science Symposium 2019

【発表タイトル】

Evaluation of the effects of new flavour composition on mouthfeel in fat products to address the health needs of consumers

【発表者】

〇大森雄一郎、阿部幸司、中西 啓、服部奈津、吉田祥吾、松本知奈、黒林淑子